アメリカで生活していると、銀行のChecking口座やSavings口座にUSDがじわじわ溜まっていきます。普通のSavings口座(Chase、Bank of America等)の利率は年0.01〜0.10%とほぼゼロ。これに置いておいてもインフレに負けるばかりです。
そこで活用したいのがApple Card Savings。Goldman Sachs提携の高金利貯蓄口座(HYSA = High-Yield Savings Account)で、年3.5%前後の利率がつきます。
今回はApple Card Savingsの仕組みと、駐在員が使う上でのポイント、他のHYSA選択肢との比較をまとめました。
みんとApple Card Savingsとは?
iPhoneの「Wallet」アプリから開設できる、Apple×Goldman Sachs提携の貯蓄口座です。Apple Cardを持っている人だけが開設できます。
- 年利(APY):3.50%(2026年4月23日改定・変動あり)
- 手数料:完全無料(口座開設・維持・引き出し)
- 最低残高:なし($0からOK)
- FDIC保険:最大$250,000まで保証
- 提供元:Goldman Sachs Bank USA
- 開設条件:Apple Card保有が必須
APYは市場金利によって変動します。最新の数字は必ずApple公式ページまたはWalletアプリで確認してください。本記事の数字は執筆時点のものです。
駐在員にApple Card Savingsが向いている3つの理由
①Checkingの余剰金を寝かせない
駐在員は給与・出張費精算・一時帰国の航空券代など、Checking口座にUSDがまとまって入ってくることが多いです。これを通常のSavingsに置いておくと利息はほぼゼロですが、HYSAに移すだけで年3.5%前後のリターンが得られます。
②iPhone1台で完結
Walletアプリから数タップで開設・送金・引き出しができます。オンラインバンキングのログインや、書類提出が一切不要。渡米直後の英語に自信がない時期でも、UIが直感的なので迷わず使えます。
③FDIC保険で安心
Goldman Sachs Bank USA経由でFDIC保険(最大$25万)の対象になります。万が一の銀行破綻でも預金は保護されるので、安心して大きな金額を置けます。
開設方法(iPhoneから5分)
Apple Cardをすでに持っていれば、開設はあっという間です。
- Walletアプリを開く → Apple Cardをタップ
- 右上の「・・・」メニュー → 「Savings」を選択
- 「Set Up Savings」をタップ → 個人情報の確認(住所・SSN等)
- 規約に同意 → 即座に口座が有効化される
- ChecckingまたはApple Cashから入金して運用スタート
開設時に必要なのは①Apple Card保有、②SSN、③米国住所のみ。証券口座のような複雑な書類は一切不要です。



駐在員的なApple Card Savingsの使い方
使い方①:生活費の数ヶ月分バッファとして
Checking口座の残高は給与1ヶ月分程度に絞り、それ以上はApple Card Savingsへ。緊急時はいつでも数日でCheckingに戻せるので、流動性も確保されます。
使い方②:一時帰国・本帰国のための積立
一時帰国の航空券代、本帰国時の引越し費用など、まとまった支出が見えている場合の短期積立先としても優秀です。証券口座と違い元本リスクがゼロなので、数ヶ月〜1年単位の積立に向いています。
使い方③:余剰USDの「とりあえず置き場」
投資先を決める前のUSDをChecking口座に置きっぱなしにすると機会損失が発生します。とりあえずApple Card Savingsに移しておき、投資戦略が固まったら証券口座等に動かす、という運用が無駄がありません。
他のHYSAとの比較
Apple Card Savings以外にも、米国にはたくさんの高金利口座があります。代表的な選択肢を比較してみます。
- Apple Card Savings:3.50% / Apple Card必須 / iPhone完結
- Marcus by Goldman Sachs:3.50% / 単独で開設可 / Webバンキング
- Wealthfront Cash:3.30% / 投資口座と統合 / FDIC最大$8M
- Ally Bank Online Savings:3.10% / 老舗オンラインバンク / 使いやすい
- Capital One 360 Performance Savings:3.10% / 旧Discover利用者の移行先 / 実店舗ATMもあり
数字は2026年5月時点。各社とも市場金利連動なので、最新値は各銀行サイトで確認してください。差は小さくても、$10,000預けて年0.4%違うと$40/年の差になります。なお旧Discover Online SavingsはCapital One 360への統合が進行中で、2026年2月以降は新規申込を受け付けていません。
駐在員的なおすすめ順
「迷ったらこれ」という観点で、駐在員向けのおすすめ順を挙げると:
- 1位:Apple Card Savings(Apple Card持ちなら最速・最楽)
- 2位:Marcus(Apple Card不要・単独で完結)
- 3位:Wealthfront(投資もまとめて管理したい人向け)
駐在員が押さえておくべき注意点
注意①:利息は米国課税対象
Apple Card Savingsの利息は、年末に1099-INTで発行されます。米国の確定申告で利息所得として申告が必要です。金額が少額($10未満等)でも申告対象になるので忘れないように。
注意②:本帰国時の口座閉鎖タイミング
本帰国でSSN・米国住所がなくなると、HYSA口座は維持できません。本帰国の3〜6ヶ月前を目処に、口座を解約してCheckingに移し、最終的にWise等で日本円に送金する流れになります。
注意③:APYは変動する
金利は固定ではなく、米FRBの政策金利と連動して変動します。実際、Apple Card Savingsは2023年4月開始時4.15%→2025年5月3.65%→2026年4月3.50%と段階的に下がってきました。金利低下局面では他HYSAとの比較を定期的にしておくと良いです。
2026年1月、Apple CardのGoldman SachsからJPMorgan Chaseへの運営移管が正式発表されました(移行完了まで約2年の見込み)。Savings口座の扱いも今後変わる可能性があるため、最新の発表をチェックしつつ、Marcusや別HYSAも候補として知っておくと安心です。
まとめ:Checkingに眠るUSDはまずHYSAへ
Apple Card Savingsは、Apple Card保有者にとって開設・運用が最も楽なHYSAの選択肢です。Checking口座にUSDが$5,000以上眠っているなら、それだけで年$175以上の利息損失が出ている計算になります(3.50%換算)。
Apple Cardを持っていない方は、まずApple Cardの審査を通すか、Marcus(Goldman Sachs単独)またはWealthfront Cashで同等のリターンを取りに行きましょう。









