アメリカに来てすぐの頃、スーパーのレジで毎回もたついていました。棚には$4.99と書いてあったのに、支払う金額が違う。レシートを見ると、いちばん下に「Sales Tax」という行が増えています。
しろ


アメリカの値札は税抜きが基本です。理由が分かってしまえば納得できますし、いくら足せばいいかも暗算できます。今回はその話です。
テキサスは8.25%。その中身
テキサスの売上税(sales tax)は、州の分と地元の分を足して決まります。


- 州の税… 6.25%。テキサス中どこでも同じです
- 市・郡・交通局などの税… 合計で最大2%まで上乗せできます
ダラス近郊のほとんどの街は上限の2%を課しているので、実質8.25%と覚えておけば足ります。プラノでもフリスコでもアービングでも、体感は同じです。
テキサスには州の所得税がありません。その分を売上税や固定資産税で集めている、という構造になっています。
なぜ表示価格に入っていないのか
日本人からすると「最初から税込で書いてくれればいいのに」と思うところです。理由は主に3つあります。
① 街ごとに税率が違うから
州の6.25%は共通ですが、上乗せ分は自治体が決めています。つまり同じチェーンの同じ商品でも、店舗が違えば支払額が変わることがあります。
メーカーが全国共通のパッケージやチラシを作るとき、税込価格を印刷することができない、というわけです。
② 税を払っているのは買い手だから
アメリカの売上税は、法律上「買った人が払う税金」で、お店は預かって納めているだけという建て付けです。日本の消費税とは考え方が違うため、商品の値段と税金は分けて見せるのが自然とされてきました。
③ 免税で買う人がいるから
非営利団体や再販業者は、届出をすれば税なしで買えます。同じ棚の商品を、払う人と払わない人がいる。税込表示にしてしまうと、この仕組みが成り立ちません。



かかるもの、かからないもの
ここが実生活でいちばん効いてくる部分です。テキサスは食料品にほとんど税がかかりません。


スーパーでの買い物のうち、生鮮食品・パン・牛乳・肉・野菜といった料理の材料になるものは非課税です。薬(処方薬も市販薬も)、サプリメント、生理用品やおむつも対象外になっています。
一方で、そのまま食べられる状態のものは課税されます。レストランはもちろん、スーパーのデリで温めてもらった惣菜、店内で淹れたコーヒー、お菓子や炭酸飲料も課税です。
テキサスのスーパーのレシートには、課税された品目に「T」などの印が付いています。野菜と肉ばかり買った日は税額がゼロに近く、お菓子とデリを買った日だけ跳ね上がる。これが分かると、レシートを見るのが少し楽しくなります。
ふだんの買い物先については トレジョで結局これしか買わない と Weee!活用術 にまとめています。
レジ前の暗算は「12で割る」
8.25%を正確に計算する必要はありません。ざっくり多めに見積もれれば十分です。


おすすめは表示価格を12で割るという方法です。8.25%は12分の1(約8.33%)にとても近いので、暗算しやすいわりに精度が出ます。
- $60の買い物 → 12で割って$5(実際の税額は$4.95)
- $120の買い物 → $10(実際は$9.90)
- $36の買い物 → $3(実際は$2.97)
ほんの少しだけ多く見積もる方向にずれるので、予算を考えるときにちょうどよく働きます。
華氏やポンドなど、ほかの「アメリカの数字」に慣れるコツは 【駐在の雑学②】アメリカの単位に慣れる にまとめています。
知っておくと得をする3つのこと
① 8月上旬に免税デーがあります
テキサスには毎年、Sales Tax Holidayという3日間の免税期間があります。金曜から日曜まで、1点$100未満の衣類・靴・学用品・バックパックが税なしで買えます。
2026年は8月7日から9日でした。新学期前の買い出しに合わせた制度なので、子どもの服や文房具をまとめ買いする家庭には効きます。$100使えば$8ほどの差です。
対象は「1点あたり$100未満」です。合計金額ではありません。$120のコートは対象外ですが、$90の服を5枚買えば全部対象になります。
② オンラインの買い物にも同じ税がかかります
Amazonなどのネット通販でも、配送先の住所の税率で課税されます。「ネットなら税がかからない」という時代は終わっているので、実店舗と条件は同じです。
③ 州をまたぐと税率が変わります
旅行や出張で州を出ると、レジの感覚が変わります。オレゴン・モンタナ・ニューハンプシャー・デラウェアには州の売上税がありません。大きな買い物をこれらの州で済ませる人がいるのはこのためです。



よくある質問
- レストランではチップも税の対象ですか?
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チップは税金ではなく、お店に払う金額とは別のものです。伝票には食事代・税・チップ欄が分かれて印刷されています。チップの計算は税抜きの金額を基準にするのが本来ですが、合計額から計算する人も多く、厳密なルールはありません。
- 値札に税込価格が書いてあることはありますか?
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ガソリンは税込表示です。スタンドの看板に出ている価格には税が含まれているので、表示どおりの金額で給油できます。自動販売機も税込のことが多いです。
- 州によってどれくらい違いますか?
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州の売上税がゼロの州から、地方分を合わせると10%を超える地域まで幅があります。テキサスの8.25%は全米では中くらいの水準です。
- 免税で買う方法はありますか?
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一般の消費者には基本的にありません。非営利団体や再販業者向けの制度なので、駐在員の家庭の買い物には使えないと考えてください。
- レシートの税額が想定と違います
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課税品と非課税品が混ざっていると起こります。レシートの品目の横にある印を見ると、どれに課税されたか分かります。
まとめ
- テキサスの売上税は8.25%(州6.25%+地元最大2%)。ダラス近郊はほぼ上限
- 税率が街ごとに違うため、値札は税抜き表示が基本
- 食料品・薬は非課税。外食やそのまま食べられるものは課税
- 暗算は12で割る。少し多めに見積もれるので予算感がつかみやすい
- 毎年8月上旬に免税デー(1点$100未満の衣類・靴・学用品)
- オンラインも配送先の税率で課税される
最初は戸惑いましたが、慣れてしまえばどうということはありません。レジで驚かなくなったら、生活に馴染んできた合図だと思っています。
制度の一次情報は テキサス州会計監査官(Comptroller)のサイト、免税デーの対象品目は Sales Tax Holidayのページ で確認できます。ダラス生活全体の見取り図は 【ダラス駐在生活】快適に過ごす完全ガイド をどうぞ。









