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しろです。前回は夫みんとが、私のSchwab口座が「business decision」で突然閉鎖された顛末を書いてくれました。電話・手紙・通訳・紙申込書・支店突撃まで全部やって、結果は完全敗退。でも私たちは諦めずに、次の銀行に挑戦することにしたんです。
選んだのは Fidelity CMA(Cash Management Account)。投資会社が出している「ほぼ銀行口座」として駐在員界隈でも評判の高い口座です。が、結論から言うと——こちらも撃沈。しかも、夫婦でジョイント口座(共同名義)まで検討して、それでも私だけ本人確認が通らないという、なかなかにヘビーな経験をしました。
この記事は「アメリカ銀行口座シリーズ」全4回の第2回。前回のSchwab編に続いて、Fidelityでの本人確認落ち&ジョイント挑戦の記録、そして「銀行にはクレカみたいな逃げ道がない」という気づきを残しておきます。同じような立場の駐在ママの参考になれば嬉しいです。
先にお断り:本記事は我が家の実体験であり、Fidelityや特定の金融機関を批判する意図はありません。本人確認が通らなかった理由も推測の域を出ません。「こういうことが起きうる」という1ケースとしてお読みください。
プロローグ:クレカは「Authorized User」で凌げた、でも銀行は…
Schwab敗北の翌週、夫婦で「次どうしよう会議」を開いていました。私が自分名義の口座を持ちたい理由はいくつかあって、家計をきちんと別管理したいというのと、将来ちょっとした副収入の受け皿にも使えたらいいな、というのと、あとは単純に「夫の名義を借りずに自立した家計をひとつ持ちたい」という気持ちでした。
しろ





調べてみてわかったのは、銀行口座にはクレカのAUに相当する”気軽な相乗り”の仕組みがないということでした。あるのは「自分単独名義の口座」か「ジョイント(共同名義)口座」の二択。クレカでの妥協策が、銀行では効かない世界だったんです。
クレカと銀行の「家族での相乗り」仕組みの違い
- クレカ:Authorized User(追加カード)で本会員の信用に乗っかれる。配偶者のSSN・氏名・住所だけで追加可、本人の信用審査はほぼ無し
- 銀行:相乗りに相当する仕組みは基本なし。共同で持ちたいなら「ジョイント口座(共同名義)」を最初から作るしかない
- ジョイント口座は2人とも本人確認(KYC)を通過する必要あり。片方だけ通る、はあり得ない
つまり、銀行は「逃げ道のない世界」。私が自分の銀行口座を持ちたければ、Thin File(信用履歴が薄い)でも本人確認を通すしかない。この前提を頭に入れた上で、私たちは次の挑戦先・Fidelityに向かいました。
なぜFidelity CMAだったのか
Schwabがダメだった以上、次の候補をどう選ぶか。みんとと並んでパソコンの前で、ひとつずつ調べていきました。最終的にFidelityのCash Management Account(以下「CMA」)を選んだ理由は、こんな感じです。
- 普通の銀行口座のようにデビットカード・小切手・ATMが使える
- 世界中どこのATMでも手数料キャッシュバック。一時帰国時にも便利
- 残高には利息も付く(その時々の市況によります)
- 投資口座と紐づけしやすく、将来的に資産形成にも使いやすい
- 駐在員界隈で「Schwabの代替候補」としてよく名前が挙がる











事前の心の準備はしておきつつ、まずは私単独で申し込んでみることに。Schwabの反省から、今回は同じデバイス・同じネットワーク・VPNオフを徹底。前回みたいに途中で旦那さんのPCに移したりせず、最初から最後まで自分のPCで完結させる、と決めて取りかかりました。
単独申込みチャレンジ:開始10分で「決定済み」の画面
FidelityのWebサイトを開き、「Open an Account」から進めていきます。口座種類の選択画面では、迷わずCash Management Accountを選択。普通預金感覚で使える口座です。
次の画面で「この口座は誰のもの?」を選びます。今回はまず私単独で挑戦するので、迷わず「Just for me」をクリック。「I’ll share it(共有する)」を選ぶとジョイント口座申込みになります。


その後の流れは、SSN・住所・電話番号・職業・年収・流動資産・米国の納税ステータス(W-9)など、おなじみの本人確認情報の入力ラッシュ。Schwabのときに散々書いた内容なので、入力自体はサクサク進みました。






Submitボタンを押した直後、ぐるぐる読み込み画面が数秒——そして表示されたのは、ものすごくシンプルなメッセージでした。


「We couldn’t verify your identity(本人確認ができませんでした)」
「これは入力ミスの可能性もありますが、初めての金融口座の場合に起きることがあります」との但し書き。次のアクションは “Exit application” ボタンのみ。再挑戦の動線すらない、シンプルなお別れでした。






ショックでしたが、Schwabの経験で少し免疫がついていたのか、立ち直りは早かったです。悪いことしてないのに、機械にダメって言われるのは2回目。今度は「なるほど、こういうやつね」と冷静に受け止められました。
「Thin File」という現実:なぜ駐在ママは弾かれるのか
みんとが調べてくれたところによると、Fidelity CMAの審査では本人確認(KYC)と同時に、信用情報機関(Equifax等)に照会する「Soft Pull」がかかるそうです。ここで信用履歴の厚みもざっくり見られている、という話。



Thin File(薄い信用ファイル)とは
- 信用情報機関に登録されている履歴の件数が極端に少ない(または無い)状態
- 駐在で来たばかりの配偶者・学生・若年層に多い
- FICOスコアが算出できない、または極端に低く出る原因にも
- 金融機関の自動審査では「リスク判定不能=拒否」になりやすい
私の場合、クレカはAuthorized UserとしてAmazon Prime Cardに追加してもらっていたので、ゼロではないけれど、メインカードホルダーでない=自分名義の与信枠は持っていない状態。Soft Pullで見られたら「薄い」と判定されてもおかしくない、と妙に納得してしまいました。
Thin Fileは「本人の落ち度」ではなく、単に米国での金融履歴の蓄積期間が短いだけ。1〜2年かけて、AU+本人名義のクレカ+電気・スマホ等の継続支払いで少しずつ厚くしていく以外、近道は基本ありません。
作戦転換:夫婦でジョイント口座という選択肢
単独申込みが瞬殺だったので、次の手を考える夫婦会議。みんとがホワイトボードに作戦を書き出してくれました。









- 2人とも口座の所有者。預金は完全に共有財産
- 2人ともデビットカード・小切手を個別に発行可
- どちらか1人が亡くなったとき、相続手続きなしでもう1人に全額自動移行
- 2人とも本人確認を通過する必要がある(ここがポイント)






私たちの本来の希望は「私名義の独立口座」でしたが、まずは「夫婦の共同管理口座を1つ作る」というところに目標を切り替え、Fidelity CMAをジョイントで申し込み直すことにしました。完全に妥協というよりは、「ジョイントで通してから、信用履歴を積んで、いずれ単独口座に挑戦」のステップアップ作戦です。
ジョイント申込み:「片方だけ通らない」という不条理
ジョイント口座の申込みは、みんと(プライマリ)と私(ジョイント)の両方の情報を入力していく形式。Schwabもそうでしたが、米国の金融機関は共同名義人それぞれに個別に本人確認をかけるのが基本です。
みんとの情報パート(SSN・住所・職業・収入など)はサクサク通過。続いて私のパート。前回と同じ情報を、慎重に、ゆっくり、間違いがないように入力していきます。



Submitを押した結果——出てきた画面は、こんな内容でした。
プライマリ(みんと)側:承認
ジョイント(しろ)側:本人確認を完了できませんでした。追加書類の提出が必要です






追加書類提出の案内には、「パスポートのコピー」「ビザ情報」「米国住所を証明する書類」などのリストが並んでいました。これだけ揃えて再提出すれば本人確認は通せるかもしれない——でも、ここで私たちは立ち止まって考えました。
夫婦会議:ここまでして突破する価値はある?
追加書類を出せば通せそうな雰囲気はある。でも、考えれば考えるほど、「これって、私が”自分の口座を持つ”という当初の目的からどんどん離れてないか?」という気持ちが大きくなってきました。



そもそも私が銀行口座作りたかった理由って、家計を別管理したいのと、自分の名前で持ちたい、って2つだったよね。






- ジョイント口座は「夫婦共同管理用」としてはアリだが、私の独立口座という目的にはハマらない
- 追加書類で押し込めば通せそうだが、書類を出した結果また落ちる可能性もゼロではない
- そもそもThin Fileを”無理やり”通させる戦いを続けても、根本解決にはならない
- クレカAUは「本会員の信用に乗っかる」というシステム上の仕組みだから自然。銀行で同じことをするには、ジョイントしかなく、しかも結局それぞれの本人確認は突破必須









みんとが指していたのは、私たちも普段から海外送金で使っているWise。最近Wiseには「USDの受け取り口座番号(USアカウント)」が無料で持てるサービスがあって、これが事実上「米国の銀行口座」のように使える、という情報を仕入れていました。
大手銀行が「Thin Fileは弾く」基準で作られているのに対し、Wiseのようなフィンテックは「最初から国境をまたぐ顧客」を前提に作られています。同じ”本人確認”でも、評価軸そのものが違う——これが大きな救いになるかもしれない、と希望が湧いてきました。
Fidelity挑戦からの撤退決定
議論の結果、私たちはFidelityのジョイント申込みを追加書類は提出せず、いったん撤退することにしました。本来の目的に立ち返り、「自分名義の口座を持つ」を優先するなら、ここで粘るより別の道を試すほうが筋がいい、という判断です。






Fidelity自体は素晴らしい金融機関だと思います。みんとの単独口座としては将来選択肢に残しておくし、投資用に使いたい場面も出てくるかもしれません。今回はあくまで「私の独立口座を作る」という目的に対しての判断として、撤退を選んだだけ。これも大事な記録として残しておきます。
この挑戦から学んだこと
Schwabに続いてFidelityでも本人確認に阻まれたわけですが、収穫はちゃんとありました。同じ立場の方の役に立ちそうなポイントを、整理しておきます。
- クレカと銀行は「家族での相乗り」の前提がまったく違う。クレカはAUで凌げても、銀行は本人名義かジョイントの二択しかない
- Fidelity CMAの自動審査はSchwabより厳しめな印象。Thin Fileだと即時で弾かれることがある
- ジョイント口座は「2人とも通過」が大前提。片方だけ通らないと口座自体が開かない
- 追加書類で押し込む選択肢もあるが、「そもそも何のために口座を作るのか」を見失わないことが大事
- 大手銀行ルートで詰まったら、Wise等のフィンテックに視点を切り替えるのも有効な戦略
本人確認に引っかかること自体は、ご本人の信用とは別の話です。「米国での履歴がまだ短い」だけのことなので、必要以上に落ち込まないでください。私もここでだいぶ凹みましたが、次の挑戦ではあっさり通ることになります(後述)。
次回:意外な救世主・Wise USあっさり開設編へ
Schwabに閉鎖され、Fidelityで本人確認も通らなかった私。「もう自分の米国口座、無理なのかも」と一瞬本気で諦めかけました。でも、次に試したWise USは、びっくりするくらいあっさり開設できたんです。
第3回では、そのWise US口座の開設手順を、スクショ多めの完全ハウツー形式でお届けします。「銀行に振られたあとに私を救ってくれたサービス」として、駐在ママに自信を持っておすすめできる結末になりました。






まとめ
- Schwab閉鎖後、次の挑戦先としてFidelity CMAを選定。ATM手数料キャッシュバック・利息付きで魅力的
- しろ単独申込みはThin Fileを理由に自動審査で即時リジェクト
- 夫婦でJTWROSジョイント口座に切り替えるも、しろ側の本人確認だけ通らず
- クレカはAuthorized Userで凌げても、銀行にはAU相当の仕組みがないことを実感
- 追加書類で押し込むより「自分名義の独立口座」という当初目的を優先し、Fidelityは撤退
- 次の挑戦先は送金サービス出身のフィンテック・Wise US。シリーズは次回へ






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- 【第4回・公開予定】駐在ママのための米国口座総まとめ・選び方ガイド
この記事は筆者夫婦の実体験をもとにした内容です。本人確認に通らなかった理由は推測の域を出ず、Fidelityや特定の金融機関を批判する意図はありません。金融機関の制度や手続きは変更されることがあり、個別ケースで状況が異なる可能性があります。最終的には各金融機関に直接ご確認ください。









